【作品紹介】PLATONIC


『プラトニック』(全七編)


1 太陽の少年 ―― 愛について (PLATONICⅠに収録)

 古代ギリシアの王子が、竪琴の音に合わせて愛の起源の神話を歌う。

 全てのものは愛を求めるために生まれる。

 そして愛する人と出会いひとつになろうとするが、その時……。

2 ナルキッソスの神話 ―― この世の生について(PLATONICⅠに収録)

 イタリア・ルネッサンスに実在した美貌の哲学者ピーコ・デッラ・ミランドラが、若き未亡人に夫の死をなぐさめる書簡を送る。

 神話に秘されたこの世の生とは何か?……。

3・4 ラファエッロの書簡Ⅰ/Ⅱ ―― 美について (PLATONICⅡに収録)

 やはりイタリア・ルネッサンスに実在した画家ラファエッロが、侯爵夫人や時の教皇の問いに答えて美を語る。若きラファエッロの悲恋もここに語られる。

5・6 ゲーテの書簡Ⅰ/Ⅱ ―― 美について (PLATONICⅡに収録)

 ドイツの文豪、大ゲーテが美について語る書簡。

プラトンの神話、聖書の神話を使いながら、美がこの世を超えた世界のものであることを説き明かす。

7 賢帝の夢 ―― 国家について (PLATONICⅢに収録)

 ローマの五賢帝の最後の一人であるマルクス・アウレリウス・アントニウス帝

(映画「グラディエーター」にも登場)が夢の中で前皇帝と出会い、国家の盛衰についてを語り合う。 

皇帝M・アウレリウスが夢の中の天上の神殿で見たものは?……。


まえがき

 古代ギリシアでは、

プラトンやソクラテス、

あるいは、それ以前の哲学者たちの言葉のように、

哲学は対話編であり、

詩や神話としても語られていました。

 詩や神話はただ美だけでなく、

古代の人の英知も表現していたのです。

 このプラトニックという小さな本は、

美が単なる美ではなく知でも、

知が単なる知ではなく美でもあった

古代ギリシャの世界のことを想って書きました。

 古代の人々だったら、愛を、生を、そして美を

どのように考えるのだろう?

 そして、どのような言葉で表現するのだろう?

 と想いながら書きました。

 それが現代のような複雑な時代に役に立つものであるか

どうかはわかりませんが、

この本がみなさんのひとときの安らぎになることができたら幸せです。

                        白鳥静香 



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