宗教について思う 39 『愛について』 白鳥静香著
愛とは何でしょうか?
愛とは
相手が存在することを望むこと、
(自分のそばにでなくともです)
愛にはいろいろな側面があります。
相手に何かをしてあげることが愛であることもあれば、
あえて何かをしてあげないということが愛であることもあるでしょう。
愛は、
相手を賞賛することもあれば、
逆に相手を否定することもあると思います
また、
相手のやっていることを手伝ってあげることもあれば、
相手のやろうとしていることを邪魔することもある、
相手がお酒や薬物に溺れていて、
それを欲しがっているときなどは特にそうでしょう。
優しくすることもあれば、
逆に怒ることもあります。
さらに、
知的な探求という形の愛もあります。
そのように、
愛には決まった形はありません。
正反対の形のとることもしばしばです。
しかし愛がどのような形をとろうと、
それが愛であるなら、
それらはすべて、
相手に存在していてほしいという願いであり、
相手の存在する世界に存在していてほしいという願いである、
そして、
愛のすべての形は、
その思いから派生したものなのではないでしょうか?
先にあげた、
正反対に見える行為も
愛が相手の存在を望むことであるなら、
すべて両立するからです。
ヘブライ(いわゆる聖書)の神話には、
その冒頭で、
神が
光あれ!
と天地を創造するシーンがありますが、
この神話は、
まさに神に愛であってほしいという当時の人たちの信仰を
よくあらわすものであるように思えるのです。
その神話では神が、
私たちと、
私たちが存在する世界の存在を望んでくれている、
無ではなく存在を心から、
そして迷いなく望んでくれているからです。
神なるものが本当に存在するかどうかはいったん
おいておくとしても、
私には、
神という、
愛の極限、
無限の愛を考えることができるということに、
人間の精神の無限性が示されているように思えるのです。
また、
ひとりの人が神のように無限の愛であることはできないとしても、
私たちが生きるうえで
そのような概念があることは
あらゆる場面において意味のあることではないかと思うのです。
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